むかしむかし、あるところに怪人オーケツがいました。
今日は町のお城、オーカマ城のお姫様、チャンコ姫の結婚式です。
町の人たちは全員その結婚式に招待されたのですが、オーケツには招待状は来ませんでした。
オーケツは梅干しみたいなクシャクシャの顔になって言いました。
「フーフー」(おのれ、チャンコめ、今に見ていろ、ものを言わしてくれるぞよ。)
「あら、すごくきれいよ、チャンコ姫、見違えたわね。」
「あらいやだ、ユンコ姫もとてもきれいよ。」
「おほほほっ、ところで、チャンコ姫、オーケツは招待したのかしら?」
「あらいやだ、あんなオーケツみたいなきったないブス、呼ぶわけないじゃない。」
「そうよね、やだ、あたしったら、当たり前のことを聞いてしまったわね、おほほほっ。」
「あらいやだ、ユンコ姫ったら、でも呼んだほうが良かったかしら、引き立て役として。」
「まあ、あんな臭くて変な顔したドブネズミのドテカボチャが引き立て役だなんて、チャンコ姫ったら冗談お上手。ケツまくっちゃう。」
「あら、いやだ、ユンコ姫、お腹よじれちゃう。」
城の中は、おほほほっ、おほほほっと、オーカマ城はブス姫の笑いで満ち溢れていました。
そこに現れたのが怪人オーケツ、ゴロゴロと階段を転げ落ちるようにして二人の間に割りいると、
「フー!!!」(くらえ、必殺溶岩攻撃!!!)
「ギャアアアア!!!」
オーケツは辺り一面を溶岩で満たし、たちまち周囲の者を石に変えてしまいました。
「フーフーフー」(クククク、ざまあかんかん河童の屁、カラスが鳴くのはカラスの勝手、隣の客は・・何喰うんだったかしら。)
オーケツは難しいことを考えたので、下の口からフーを出して眠りこけてしまいました。
あたりはオーケツから出たガスが充満し、皆息をすることもできず死に絶え、オーケツも自らが出したガスで痺れて動けなくなってしまいました。
時は過ぎて、令和の時代、
「見て見て、お父さん、あの岩、黄色いよ。」
「あれはね、殺生石というんだよ。怪人オーケツが閉じ込められて、たまに黄色いガスが出るんだ。」
「へえ、怖いね。あれは?」
「あれはブス岩で、キスをすれば元のお姫様に戻るという言い伝えがあるんだよ。」
「へえ。シカト。」
オーケツは、フーと言って黄色いガスを出しました。
めでたしめでたし
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