寝静まった夜に

皆が寝静まった頃、奴は動き出す。 寝る直前、奴はドラマを見ている。 もちろんそれはカモフラージュ。 奴のアリバイ工作よ。 こんこんと皆が眠りについた頃、奴が動き出した。 まず手始めに蜂蜜をたっぷりと入れたヨーグルトを喰い始め、 ピーナツの粉を固めたブラジル菓子パソッカを一口で飲み込む。 小腹が空いたので香港で買った出前一丁を三玉茹で始め、 その間に香港で買ったクッキーを袋から出してボリボリ喰う。 出前一丁の博多豚骨味が茹で上がり、器になみなみとよそう。 トッピングに特価品のカットチャーシュー 甘いから酒に合わないと言っていたチャーシューがまさかの登場 そしてストックしてあった皮を剥いたゆで卵２個 韓国のりも一緒くたにしてガラガラヘビのように皆丸飲み 器には何一つとして残っていない シーンと静まって時計の音しか聞こえないはずの深夜、 喰っている音が聞こえてはまずいとドラマの音を大きくする。 そして夕食で食べ残した肉の脂がたっぷり入ったフェイジョアーダをスプーンですくい、 目にも止まらぬ速さで口に運んであっという間に皿は空に。 口の周りは脂でベッチョリ、テカテカヌラヌラ 完全犯罪と奴は思っているだろうが キューさんはケージにかけられたカーテンの隙間からジッとそれを見ているし こちらも目をぱちくり開けて耳を澄まして聞いていますよ。 締めにたっぷりとクロテッドクリームを乗せたベノアのスコーンをペロリ そして喰った喰ったと大きなゲップをした後はトイレで下からもゲップを出す。 こちらもキューさんももちろん奴の所業にお怒りモード
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