センチュル城のヒサ王は悩んでいた。許嫁であるオーカマ城のチャンコ姫との結婚が迫っていたからだ。
結婚の日は王の20歳の誕生日と決まっていた。
「どうしたらよいものか。」
すると、賢鳥キューがある秘策を考えた。
それはよい、とヒサ王は、街にお触れを出した。
「この街で最も不細工なオカマは、王の誕生日の前日に死刑に処する。」
汚い洞窟に住むオーケツはほくそ笑んでいた。
フー(あのブスのチャンコも年貢の納め時だわいな。)
オーケツは真実の鏡に伺いを立てた。
この真実の鏡は賢鳥キューが化けていたのである。
フーフー(この街で最も美しいのは、このオーケツと言うことで間違いないな。)
賢くていつも真実しか言わない鏡、キューは、鏡を眩いばかりのエメラルド色に輝かせて言うことには
「オーケツよ、オマエは愚かだが、ここまで愚かだとは思わなかった。」
オーケツは息を飲む代わりに下の口からフーを出した。
「チャンコがダントツでブスだと思ったか?チャンコは顔に毒を入れてオマエより一歩リード。
だから、オマエがこの街で最もブサイクに決まっているだろうが、バーカ、ケケケケ」
と真実の鏡はオーケツに赤く鋭い嘴でガブリと噛みついたが、オーケツの顔は猛毒だったので即死した。
オーケツは、エメラルド色の真実の鏡のキューを、クリームブリュレのようにバリバリ音を立てて食いながら言った。
フー(では、こちらからチャンコを殺るしか方法はないな。)
オーケツは、もともと汚いババアだったが、さらに汚いクソババアの格好をしてオーカマ城を訪れた。
オーカマ城からとびっきりの美しいドレスを着込んだチャンコが現れた。
チャンコは顔に毒を入れたので、顔のいたるところに紫色のこぶができていた。
「きったねえババアだな、失せろ、あらよく見たらオーケツ、ご無沙汰しているじゃない。死んだかと思ってたのにまだくたばっていなかったのね。失せろ。」
フー!!!(食らえ、毒リンゴだ!!!)
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
チャンコ姫の顔に毒が入ったが、元々顔に毒は入っていたので、特に変化はなかった。
醜い争いが繰り広げられているちょうどそのとき、街にお触れが出た。
「チャンコとオーケツ、どっちもブサイクで甲乙つけがたく、ダブル受賞。」
お触れと同時に、センチュル城の頂上からエメラルド色の稲妻がオーケツとチャンコそれぞれに落ちた。
オーケツとチャンコは仲良く死刑になりましたとさ。
めでたしめでたし
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